■目録データベースの構成■
図書館目録 (=Library catalogs) は,
書誌/典拠/所蔵の3つのファイルからなる関係 (リレーショナル) データベースとして
コンピューター上では考えられています.
[収録するデータの種類・タイプ]
典拠データ (著作,表現形,個人や団体,場所,時代,主題,ジャンル,形式,等)
↑
書誌データ (体現形)
↑
所蔵データ (個別資料)
※矢印 ↑ は,リンク方向
■記述目録と主題目録■
体現形 (出版物 [図書,楽譜など] や制作物 [CD,DVDなど]) を記録する書誌データは,
旧世代の目録規則の大部分を占めていました.
記述本体と注記
入手のための情報 (出版事項)
物体としての情報 (対象事項)
体現形に収録している著作や表現形に対するアクセス・ポイント
これらを総称して 記述目録 ともいわれます.
これとは別に,
著作や表現形の内容 (コンテンツ) そのものにアクセス・ポイントを設定するのが 主題目録 で,
その著作が扱う内容 (トピック,主題,時代,場所,言語,形式など,さまざま) によって異なります.
主題のアクセス・ポイントは,
その資料が 《何についてのものか》 を説明している 「件名標目」 と,
その資料が 《何であるか》 を説明する 「ジャンル・形式用語」 を区別するのがトレンドとなっています.
■例■
Folk songs [件名標目] → 民謡を論じた著作
Folk songs [ジャンル/形式用語] → 民謡を収めた楽譜,録音または映像資料
MARCフォーマットでは
これらを入力するタグ番号が異なるため,
別の検索項目として設定したり,
検索結果の件数を別々に表示することが可能です.
■MARCフォーマット■
目録データベースでは
個々のデータを収容する形式に MARCフォーマット を採用するのが一般的で,
世界的に知られているのが [MARC21]と[UNIMARC]です.
[MARC21]は,
アメリカの議会図書館 (LC) が
目録カードをコンピューターのプリンタで印刷するために開発した,
3桁の数字タグ
2桁のインディケーター
2文字のサブフィールド識別子
これらで内容を識別する方法が元になっていて,
今や事実上のデファクト・スタンダードとなっています (NDLも採用).
この 「数字タグ / 2桁のインディケータ / 2文字のサブフィールド識別子」 という方式のフォーマットは,
ISOの標準 (2709) となっています.
この方式をそのまま採用しながら,
タグ番号を共通性のある大項目 (ブロック) ごとに再配置したのが
IFLA が開発した [UNIMARC (※1)]で,
主にフランス等のヨーロッパの国立図書館で使用されています.
ToccataMARC (※2) も
[UNIMARC]を採用しています.
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(※1) UNIMARC: 各国の全国書誌作成機関が作成し,提供するMARCの国際交換が円滑に行えるよう,
国際図書館連盟 (IFLA) が1977年に示したMARC標準フォーマット
[UNIMARC Formats and Updates]
https://www.ifla.org/g/unimarc-rg/unimarc-updates
(※2) Toccata MARC :
LCのRDA適用と同時期にRDAの段階的使用を始め,日本語処理を付加したUNIMARCフォーマットにRDAによる書誌データを格納している
■参考資料■
2023年9月11日,音楽大学図書館で行われた鳥海惠司 (弊社取締役) による図書館目録講義のテキストより
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2024年8月2日付 図書館情報部より全国送信mail [CDご選定用データ, 最新情報] より 一部抜粋,加工修正しました