図書館法で定められた国家資格である
「司書」 「司書補」 を取得し,
図書館や各種専門機関で活躍されている方は多くいらっしゃると思います.
[参考] 文部科学省ホームページ:司書について
https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/gakugei/shisyo/index.htm
日本国内には,音楽分野を専門とする司書 (音楽司書) を養成する大学が
ひとつだけ存在します (2024年3月現在).
今回は,音楽単科大学としては国内初となる司書課程が開設された
昭和音楽大学 をご紹介します.
[参考] 昭和音楽大:資格課程
https://www.tosei-showa-music.ac.jp/careercenter/license
■昭和音楽大学 司書課程■
2012年度,音楽単科大学としては国内初となる司書過程が
昭和音楽大学に開設されました.
音楽分野を専門とする司書 (音楽司書) を組織的に育成し,
従来の司書過程に不足していた部分を補い,
「音楽」 を含む,専門分野の知識と技術をもつ司書の育成が行われています.
従来,音楽資料を扱える司書になるには,
音楽大学等で 「音楽」 を学び
卒業後,受講して司書資格を取得するという流れが主でした.
昭和音楽大学の司書過程では,
一般的な司書になる学びに加えて,音楽司書としての基礎を学べるようになっています.
音楽大学として 「音楽」 を学び
同時に 「司書」 も学べるというシステムです.
また,独自課程 「音楽図書館サービス特論」 があり,
図書館における音楽資料の種類と特質,音楽情報サービス,音楽資料の組織化の基本を
学ぶことが出来ます.
■音楽資料のカタロギング: 実務で必要な知識■
音楽資料のカタロギングに必要な知識として,
楽譜が読めること
楽譜/音楽の背景の情報 (人物,歴史,宗教,民俗学,ほか) を理解できること
各国の言語を知ること
などが挙げられます.
日々のカタロギングで駆使されているものばかりです.
音楽大学に入学し受講されている時点で,
「音楽」 への関心が高く
音楽資料のカタロギングに必要な知識をお持ちなので,
「音楽司書」 の条件の第一段階はクリアされている!
ということでしょうか.
司書資格を取得することがゴールではありません.
カタロギング以外のフィールドでも
様々な経験を積み, 物事に触れ, ご自身の発想を豊かにすることは
音楽司書に限らず,
カタロガーに求められる資質のひとつかもしれません.
2024年3月4日付 図書館情報部より全国送信mail [CDご選定用データ, 最新情報] より
一部抜粋,加工修正しました