■ジャンル/形式用語とは■
NDLは,2021年1月から ジャンル/形式用語 の運用を開始しました.
LCでは,2007年にジャンル/形式用語のシソーラス化の検討を開始し
2009年1月から, まずは動画とラジオ番組に対して付与を開始しました.
Toccata MARC (※1) では,
音楽と映像に対してジャンル/形式用語の付与を2015年から開始しました.
(※1) Toccata MARC: LCのRDA適用と同時期にRDAの段階的使用を始め,
日本語処理を付加したUNIMARCフォーマットにRDAによる書誌データを格納している
…に関する (何について) を探すための主題 (Subject/Topic) 検索とは異なり,
ジャンル/形式用語 (Genre/Form) は
(何であるか) 内容そのものの形式やジャンルを記述する統制語彙です.
さまざまな件名標目システム, 記述目録規則と組み合わせて使用します.
テーマ 1 で取り上げました演奏手段等とともに,
ジャンル/形式用語 は
利用者が検索する可能性のある実体の, 属性のひとつとされています.
[参考] 「書誌レコードの機能要件 IFLA書誌レコード機能要件グループ最終報告」
https://www.ifla.org/wp-content/uploads/2019/05/assets/cataloguing/frbr/frbr-ja.pdf
件名標目 (☆) と,ジャンル/形式用語 (★) では,
その構造に違いが見られます.
☆ 件名標目 (subject heading) = 「事前結合」方式
~複数の意味の合成
★ ジャンル/形式用語 = 「事後結合」方式
~検索する人が複数の用語を組み合わせて検索を実行する
■■事前結合方式 (☆) /事後結合方式 (★) –実例■■
~あるオペラからのアリアの編曲 (楽譜スコア) の場合
☆ 件名標目:
(1) 歌劇–抜粋–編曲–スコア (Toccata典拠ID: a94040400)
★ ジャンル/形式用語:
(1)歌劇 (Toccata典拠ID: a01501464)
(2)抜粋 (Toccata典拠ID: a01501245)
(3)編曲 (Toccata典拠ID: a01500827)
(4)スコア (Toccata典拠ID: a01500831)
SNS上で用いられるハッシュタグ検索 (ハッシュマーク (#) を付けたワードによる検索) に慣れた方なら,
ジャンル/形式用語の事後結合方式 (★) は,
感覚的に分かりやすいかもしれませんね.
クラウドサービスをご利用のお客様は,
ジャンル/形式用語が登録された書誌データを実際にご覧いただけます.
→ 「UCCG45069」 (半角) で検索♪
※フィールド: tag 608 (形式/ジャンル標目) には,
ジャンル/形式用語の典拠形アクセスポイントのIDが登録されています.
[参照] SaaSS Edition クイックレファレンス:tagフォーマット
(書誌レコードの内容識別子をリストアップしたもの)
https://toccata.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/bib_quick_ref.pdf
ToccataMARC に登録された,これらのジャンル/形式用語は
ToccataMARC 全タイプでご利用いただけます.
今回ご紹介した内容をさらに詳しく知りたい方は,
当社より発売中の 「音楽資源のためのジャンル/形式用語マニュアル」 を
ご覧ください.
2023年5月9日付 図書館情報部より全国送信mail [CDご選定用データ, 最新情報] より
一部抜粋,加工修正しました